見出し画像

育休とってみてどうだった?経験者のリアルに迫ってみた

2022年10月からスタートした「産後パパ育休制度」が後押しとなり、男性の育休取得がより身近になりましたね。サッポロビールでも男性育休が浸透し、2023年にはついに「男性育休取得率100%」を達成しました!

今回は、もうすぐ産休・育休に入る編集部女子が、育休を取得した男性社員、またパートナーが育休を取得した女性社員のリアルな声と実態に迫ってみました。


ポイントは「“早めの相談”と“勇気”!」 日頃からの工夫で1ヵ月の育休を取得した営業担当


黒岩さん(仮名)
2011年キャリア入社後、福岡や首都圏で飲食店に対する食営業に従事
現在はサッポロホールディングス 経理部・財務IRグループに所属
家族構成:妻、長女(6歳)、次女(6か月)

――黒岩さんは、いつ・どのくらいの期間で育休を取得しましたか?
2024年3月中旬から4月中旬の1ヵ月間、第2子が生まれるタイミングで取得しました。長女はちょうど小学校にあがる時期でした。
 
――育休取得時のお仕事はどんな内容でしたか?
飲食店や酒販店を担当する外食営業で、首都圏エリアを担当していました。出張などはあまりなかったですが、夜の会食や視察が週に3~4日ありました。 
――なぜ1ヵ月取得されたのですか?
第1子の時に数日しか取れなかったので、第2子ではもっと長く取りたい!という思いがありました。正直本当はもっと取りたかったのですが、2~3か月現場を空けてしまうことの申し訳なさやキャリアへの不安がありました。
第1子のときに、仕事を抱えながらも育児に奮闘している妻を横で見ていて、「もう少し長い時間、もう少し多い分担で、自分が育児に入れたら…」と思うことが多かったです。
なので、今回は、生まれてすぐの心身共に一番つらいタイミングで1ヵ月取ることを決めました。

――育休を取得する上で工夫したことはありますか?
私が担当する得意先は、複数人のチームで担当していて、普段から代行体制が確立できていました。また妻が安定期に入った、育休取得の半年くらい前のタイミングで上司にも職場のメンバーにも相談していたので、そのための準備や心づもりはしていただけたと思います。
得意先にも、職場への相談と同じ半年くらい前のタイミングから、徐々にお話していきました。上司を含めた職場メンバーの後押しもあり、ご迷惑をかける心配を取り払っていきましたし、世の中の育休取得への流れに対するご理解もありました。
 
――ご家族の反応はいかがでしたか?また、育休中のエピソードを聞かせてください。
最初妻は、“休み取るのは当たり前だよね?”という感じでした(笑)が、『とってくれてありがとう!』と言ってくれました。長女とゆっくり過ごせた時間は貴重でしたし、小学校に上がるタイミングで、まだ給食が始まっていなかったので、私が毎日お弁当を作りました!料理は得意ではないですが、娘に喜んで欲しくてキャラ弁にも挑戦しました💦

いとおかし≒エモい

――現在は共働きとのことですが、育児と仕事の両立はどのようにされていますか?
妻も同じ会社なので、OUTLOOKのスケジュールでお互いお迎えなどの予定を入れ合っています。また業務の集中時間なども日頃から入れるようにしているので、その延長で、“自分時間”も創出するようにしています。
ちなみに僕は、保育園のお迎え担当をしています。あとは、妻のひとり時間を作るように心がけています。

――育休を検討中の皆さんにメッセージを
1ヵ月の育休は本当に貴重な時間でした。男性が育児に積極的に関わることで、柔軟な働き方や人財の活躍が期待できると思います。見ている人は見てくれていると思います。休んだ期間が今まで積み上げたキャリアを台無しにすることはありません。勇気をもって休んで、育児に参画して欲しいと思います。

「子供の成長を見逃したくない!五感で感じたい!」と1年間の長期取得に挑んだDX担当

尾崎さん
2014年入社後、サプライチェーンマネジメント部やグループ内物流会社出向を経てポッカサッポロフード&ビバレッジdX推進部(当時)に出向
現在はサッポロホールディングスのDX企画部に所属
家族構成:妻、長女(4歳)、長男(2歳)

――尾崎さんは、いつ・どのくらいの期間で育休を取得しましたか?
第1子の時に3週間、第2子誕生をきっかけに約1年間の育休を取得しました。

――1年は比較的に珍しいと思いますが、なぜ1年に取得に踏み切ったのでしょうか?
第1子の時に、育休の後は働きながらの育児となり、日々成長する子どもの姿を間近に感じられなかった悔しさがあり、乳幼児期の2人の成長を“五感で感じ続けたい”と考えました。
たしかに1年の育休取得は他の人と比べると長いですが、自分の社会人人生を考えたら、この1年は短いものだと思いました。取ってから1年ほど経ちましたが、ちょうど良い長さだったと思います。

――育休中はどんな過ごし方だったのでしょうか?
夜泣きやミルクは交互だったりしましたが、第1子と第2子の育休期間で異なっていたのは、キャリアアップへの準備と“考える育児”の時間を創出できたことです。
キャリアアップへの準備は、妻と相談して勉強時間を創出し、自身がいた部署で活かせるデータサイエンスや統計学などを勉強しました。妻もずっと取りたかったソムリエの勉強をしていました。
考える育児については、毎週水曜に子供を寝かしつけた後の1時間、夫婦ミーティングを開いていました(笑)

――仕事みたいですね(笑)
どうしても二人で育児に向き合っていると、感情的になることもあったのですが、この週次ミーティングまでは、ぐっと飲み込みます。(笑)
そうすると、自分の言いたいことも感情的にならずに整理されるので、喧嘩にならず二人とも、精神的に安定できていたと思います。
あとは、保育園選びや子供の発育についても話し合っていました。10個ほど回った保育園を項目ごとに点数付けをして表にして見比べたり、育児に関する書籍なども読みました。

――1年取得したメリットを改めて教えてください。
特に感じているのは、妻と長男、私と長女またその逆など、家族がどの組み合わせでいても楽しめているということです。幼い時から、全員が同じような距離にいるからかもしれません。共働きを楽しむためにも、この1年は貴重だったなと思います。
先日、娘に『ママとパパで一緒にお迎えに来て欲しい』と言われ、2人で時間を調整して保育園にお迎えに行ったんです。そうしたら娘が『2人で約束守ってくれてありがとう!』と喜んでくれました。それがすごく嬉しくて。
育休期間中は2人で協力することが多かったので、娘からのお願いも2人でかなえよう!と自然と思えたのかもしれません。
 

心身共に不安な1か月を共有できる安心感 パパ育休を間近で体験したママの声

沖本さん(ママ)
2011年入社後、北海道、神奈川県で業務用飲食店向けの営業に従事。北海道戦略営業部を経て、育休取得直前は本社にてメディア(テレビ、デジタル)、広告代理店、スポーツコンテンツの担当窓口

1か月育休をとった荻野パパ

荻野さん(パパ)
2014年入社後一貫して人事・労務を担当。現在はサッポロホールディングスIT部門で物流システムを担当。元々人事部門で育休取得を推進する立場にあったことも後押しに

――どのように育休取得のタイミングと期間を決めたのか聞かせてください。
まず妊娠が分かった時に「育休取るよね?」と夫に聞くと、「もちろん取るよ」と即答してくれたことが素直に嬉しかったです。
育休取得のタイミングに関しては、私の実家がある広島に里帰り出産をしていたので、里帰り出産を終えて東京へ戻ってくるタイミングで取得してもらうことにしました。
1か月という期間にしたのは、1か月あれば育児生活の基盤を整えられると思ったからです。
 
 
――実際1か月を一緒にすごしてどうでした?実際1か月を一緒にすごしてど初めての育児で右も左も分からない中、実家のサポートが得られなくなる里帰り出産後のタイミングでの夫の育休取得は、本当に心強かったです。一緒に子供を見ながら、不安なことや気付いたことなど些細なことでも共有相談することができたので、孤独感を感じずに済みました。
小さな命を守るという重責のなか、孤独感を感じないということは、子育てをするうえでとても重要だと思いました。

 ―確かに、産後はそもそも体調が万全でないのに、睡眠不足が加わりメンタルが不安定になりそうですよね。期間としては十分でしたか?
 最初は1か月あれば夫の育休は十分だと思っていましたが、実際育児をしてみると1日1日が本当に一瞬で「え?もう1か月経ったの?育休終わり?全然時間が足りないんだけど!」というのが正直な感想です。(もちろん1か月育休を取ってくれたことにはとても感謝しています。)

――パパの育休期間中にやってもらったことで、何がいちばん助かりましたか?
育休中は母乳授乳と料理以外の家事とミルク授乳等の育児は積極的に夫がやってくれました。
どれも産後体調不良の私にとってはとても助かるものでしたが、中でも「入浴~寝かしつけ」をやってくれたのが一番助かりました。夫が子供と一緒に入浴してくれるので、私は後から一人でゆっくりお風呂に入ってリラックスすることができました。子供と離れて一人になる時間は本当に大切だと感じました。
入浴と寝かしつけは育休から明けた今でも基本的に夫がやってくれるので、とても助かっています。実は、産休に入る前、社内の先輩ママから『パートナーが寝かしつけできるようにしておいた方が絶対にいい!』というアドバイスをもらったお陰だったりします(笑)

当社の育休サポート環境について

サッポロビールでは以下のような育休サポート制度を設けており、2023年には「男性育休取得率100%」を達成しました。

<働く職場環境の整備>
●事業場長や所属長向けの育休勉強会を実施
●出生届が出された時点で人事部長から申請者本人、所属長宛にお祝いの言葉や育休の取り方についてメッセージを発信
●下の子が小学校6年生になるまでの短時間勤務制度の活用
●子育て期間中のエリア限定勤務が可能
●計画的な育休取得を促すための「早期パートナー妊娠報告制度(任意)」を導入

 <学習支援>
●男性社員監修の「育児・家事ガイドブック」で育児・家事の基本を啓発。
●育休検討中の男性社員向けの「育児休職のすすめ」で最新の国の制度や当社の最新情報を発信。
●実際に育児を経験した男性社員のエピソード「私の子育て日記」を公開

お金に関する支援>
●最初の1週間は特別有給として100%賃金を支給
●実際の男性育休経験者が作成した「収入シミュレーションシート」で、自身の給料明細を参照して月給がどのくらいになるのかを試算する仕組み
「休職職場応援ポイント」で、育休期間中の引き継ぎメンバーに業務分の賞与を加算(2024年~)

インタビューを終えて

育児に関しては家庭ごとに環境や考え方も異なるので、しっかり話し合って、自分たちにとってベストなタイミング・期間を設定し、そして早めに周囲に相談することが大切と感じました。
1人目の出産を間近に控え、わからないことだらけ。どういう心情になるかもわからない、と不安な中で、皆さんのリアルな声を聞けて、私もしっかりと家族に自分の気持ちも伝えたいと思いました。出産・育児がんばるぞ!💪